プログラマーの給料

経済学論争に対する坂本多聞氏の話のotsune氏による反論*1と,プログラマーの給料ネタを見て思ったのだが,プログラマーの給料を出来高払いに近づけたら,プログラミングのパラダイム変化を無視すると,アニメーターのような環境になるんじゃなかろうか.

つまり,(自分のアニメーターに関するイメージだと)

  • 仕事の単価はある程度有能な熟練者が普通に暮らしていけることを基準に決定.
  • 結果,未熟練者および有能でない人には採算割れする単価に.
  • 有能でない人が退場するのはいいとしても,相当有能な人間以外では未熟練者から熟練者の間に死の谷が出現.
  • 定着率が下がって,ないしは成り手自体が減って,徐々に高齢化が進行.

もっとも,今みたいにパラダイムが変化し続けるような環境だと高齢化の進行は熟練度のリセットで抑えられるんだろうが,はてさて.

自分でつっこむくらいならあげるなよとは思うが

と書いては見たが,平均年齢の上昇が危惧と言われる割にはアニメーターの平均年齢って1999年の調査で28.6歳で,1994年の調査では30.0歳らしく,高齢化と言うのは若すぎるのでピンと来ない(年を食ったアニメータはどこへ行くんだろ.全員が全員演出やら監督やらになれるわけじゃあるまいし).入った人の定着率が悪くて平均年齢が上昇と言うのは実感としてはあるのかもしれないが,統計としてはどうなんだろと言う感じがしないでもない.きちんとサーベイすべき事柄なんだろうなと思った.

あと,これを調べるためにググってみたんだけど,「年収500万以上のアニメーターは正直かなりいる」と胸を張って書かれているのを見た時にアニメーターはそんなに創造性の低い仕事じゃないはずなんだがなあと頭を抱えてしまった(胸を張るラインは500万円じゃなくて最低でも1000万円とかじゃないのか).昔,宝くじに当たった外国の研究者の年収が400万円いってなかったのをテレビで見たのと同じくらいの衝撃だろうか.

*1:反論には同意だけど,「理論」という言葉の定義が混乱してるよなあと思う