官僚のサービス残業

日曜日に,秋葉原に行く途中で一種公務員になった後輩とばったりあって立ち話をした.

まあ,こちらも向こうも業務の詳細を話せない,ないしは,話してもわからないので,最近元気とかそういう話題になるわけだがやはり噂に聞く残業っぷりは気になるので聞いてみるとあまりにもすごい実体に驚くよりも呆れてしまう.

夜中の3時とか4時に帰るのは普通にあることで,時には夜中の1時から会合やらヒアリングがあったりするらしい….で,当然公務員ですから次の日の朝8時にはまた職場にいると.いつ寝てるのと聞くと4時ごろについて7時ごろに起きているらしい.もうね,意味がわからない.

これのすごいところは上司も似たようなペースで働いていると言うこと.若い時の数年続くだけならともかく,30代過ぎるまでずっとこのペースってエリートさんはすごいですねとしか言い様がない.

ただ,友達の研修医も働いている時間だけ見ると似たような感じにはなっている.だけど,30代になれば救急やってるのではない限りこのペースからは解放されるんじゃないかと思うし,残業というよりも常軌を逸して正規の業務時間が長いだけだから,その分の給料はもらえるだろうし,当然シフト制で毎日こういう生活が続くわけではない.

官僚の場合にはこんなすごい時間の残業が労働基準法的に認められるわけもなく,そもそも予算もないから,一定の枠を超えた分はサービス残業になるんだろうな思ったら案の定その通りで,ただ,予想と違ったのは一定の枠を残業時間で比例配分するらしい.だから,残業時間が増えても残業代が減ることがあるらしく,「共有地の悲劇」以外の言葉をその時思いつけなかった.

というか,官僚の仕事自体が壮大な共有地の悲劇を地で行ってるんじゃないかとすら思える.どこの省もこんなペースでサービス残業してるわけで,自分だけサービス残業せずに普通のペースで仕事してたら予算獲得で負けちゃうからやめられないんだろうなと.企業が他社に打ち勝つためにサービス残業するのは最終的にサービスの質が向上するわけでこちらとしてはうれしいわけだけど,官僚が決まった枠の配分を争ってサービス残業するのは誰かを幸せにするんだろうか?自分こんなに働いているのに的な傲りを生む以上の効果があるとは思えない.いっそ,官僚の数を半分にしていやおうなく仕事が回らなくして仕事を減らさせるか,給料半分にして数を倍にするかどっちかにしたほうが良いんじゃないなと思った.

で,その前の日にちょうど文部科学省のお役人のつまらない話を聞いてきたので,それをくさしたら,文部科学省はひどいからとお答えになる.まあ,実際にそうなのかもしれないし,その(文部科学省とは別の)省が好きではいったというのを見てるから当然なのかもしれないけど,なんか省からの視点で世界を見てる印象を受けて悲しくなった.

あと,とんでもなくつまらない凡ミスをするんですよと言ってたのが印象に残った.そりゃ,大学時代にスポーツ選手のように規則正しい生活を行っていた人間が*1,そういう生活をしていればポテンシャルの100%を出せようはずもないからだけど,それを素直に指摘するのはどうもはばかられた.今のような働き方を続けるならば,その働き方が人間としての尊厳の一部を形成するのは間違いないだろうから,単なる働き方の指摘で人間性を否定する羽目になってしまいそうで.

*1:遅くとも朝6時には起きて,夜は10時には眠くなるようなそういう生活