アメリカンソルジャー

アキバで刺殺事件が起きた日に1000円で安かったので購入.(刺殺事件はニュースで報道されてから家を出たので通行規制がひどいな程度の影響)

この手の戦争映画だと予算ってのが厳然たる制約としてあるので,名前を知らないような映画は限りなく安っぽいものなのだが,この映画は買った時に予想したよりかははるかに安っぽくない.

ちょうど,CoD4を買ってからクリアして現在アーケードモード(殺人に点数がつくと言う限りなく非人道的なモード)を猿のようにプレイしている自分としてはけっこう面白く見れた.RPGの威力が弱すぎじゃないかとか,敵の弾が当たらなすぎとか(でも,米軍の弾も全然当たってないからおあいこ)あるけど,総じてリアルっぽく撮れてて,そこの裏庭でとりました的な安っぽさがない.単に,日差しが限りなく強い砂漠っぽいところなら,親近感のない大抵の人にとってはリアルなイラクになると言うマジックなのかも知れないけど.ここら辺のマジックはFPSゲームでも多用されてる感はある.

ただ,最後の接近戦に関しては弾切れだと喜び勇んで突っ込んでくるイラク兵も横から回るとか少し考えろよと思わないでもないけど,普通に接近戦で戦えちゃう米軍ってのもすごい違和感.当然,接近戦の訓練はしてるだろうからガチで戦えば当然のようにあの結果になるはず.でも,「戦争における「人殺し」の心理学」曰く銃で人を殺せる人間も,ナイフを使った接近戦で人を殺せるかとなると微妙らしい.さらに,殺した後の精神的な被害も段違い.もし,最後のようにナイフによる接近戦で敵部隊を殲滅できたとしても,使い物にならない部隊になっているか,部隊の全員が普通の人間ではない何かに変貌しているかのどちらかだろう.

それにしても,RPGの威力はだいぶ控えめに描かれている一方で,迫撃砲の威力はそれなりに描かれていたような.見えないところから打たれるってのはやはり怖い.迫撃砲が撃てるFPSってのはないものかな.それと,IEDを常に警戒してちんたら走るのがリアルっぽい.

あと,警察署の前の倉庫に隠れるシーンでどんどん敵が増えていくのが怖かった.CoD4の敵が沸いてくるシステムをバカにしてたけど,けっこう実際の戦場をよく表現できてるのかも知れない.待てば待つほどどこまでも増殖する.まあ,実際の戦場だと敵が沸いてくるのはそうでも,こちらの兵士はCoD4と違って沸いてこないんだけど.