組織の運営形態って国民性出るのかね

学生時代に「おまえには日本企業は無理だ」とあらゆる人がアドバイスしてくれた理由が,おぼろげながらやっとわかってきた.

通勤時間中に読むものがないと困るので最近いろいろ本を読んでいるんだけど,その中の一つに

私の中の日本軍 (上) (文春文庫 (306‐1))

私の中の日本軍 (上) (文春文庫 (306‐1))

私の中の日本軍 (下) (文春文庫 (306‐2))

私の中の日本軍 (下) (文春文庫 (306‐2))

がある.これを読んでいると日本の会社は日本の軍隊を薄めただけということがよくわかる.

そりゃ,理不尽な体罰とかはないけど,根っこがあまり変わってない.特に,読んでいてうなずいたのは

  • 階級よりも年次優先
  • 精神的内面への同調圧力

の二つ.前者は,まだわからないけど,後者は実感する.検閲されるから家族への手紙に書く内容は典型的帝国軍人じゃないといけないとかね.それに比べると会社なんてここに愚痴を書けるくらいに緩いとは思うけど,内面についての文章を求められる機会は多い.当然そこに書ける自分には制限がかかる.自分を染めるか嘘をつき続けるか.まあどっちでも無意識にするか意識してするかの違いだけで嘘をついてることに変わりない.まあ,普通の人間なら中学生の時には獲得していてしかるべき,建前と本音を組織内外ではなく,自分の内と外で分離する能力ってのを今まで獲得してこなかった人間の戯れ言な訳だが.

ところで,日本人にとって,精神的内面について合意できないチームワークというものは想像しづらいものなのだろうか.コミュニケーションという万能語が跳梁跋扈するのもしゃあないわな.