大学の研究費

朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか?

はてぶでもコメントしたんだけど,ちょっと一言

自分が研究室にいた当時で一番フラストレーションがたまったのは,なんで,アキバで適当に買ってくれば安い上に納期も半日で済むというのに,わざわざ業者を通さないといけないんですかというあたり.でも,この点に関してはある程度以下の金額(消耗品で落ちるような額)であれば,独立行政法人化以降どんどん立て替え払いが出来るようになってきたので,現在はそこまででもない.

単年度予算の弊害ってのも,流石に毎年やってるし勘弁してよという思いが共有できたのか,国が前面に出てくるような予算以外はそこそこ次年度繰り越しが出来るようになってきたように思うし,それを前提に,露骨なことをやってると摘発されるようになってきた(去年あたりの東大とか,業者預けとか結構昔はどこもやってたと思うけど).

でも,海外からの輸入はたぶん全く改善してないと思う.

昔,海外からスピンコーターを購入しようと見積もりを取り寄せたことがある.ぶっちゃけ,やり取りは全部メールで出来るので,向こうの会社はクレジットカードで払っちゃいなよとか気楽なことを言ってくる.そうした場合,40万円の商品をフェデックスで送り付けて送料5万円くらい.

といっても,一博士学生が50万円近い立て替え払いを出来ようはずもなく,大学の事務も海外に直接支払うのは嫌がるので,結局,買うなら代理店を通さないとという話に.そうすると何をとち狂ったのか88万円になるとの見積もりが代理店から送られてきて唖然.「いろいろと事務手数料がかかりますので」とか言ってくるから,上の商品に20万円相当のオプションをつけたらいくらになるんですかと聞くと,120万円になりますとか言ってくる.代理店の無能な人間にお金を払ってるのがよくわかりましたということで,結局国内メーカーから70万円で購入することに.なんか非関税障壁に阻まれてえらく損した気分になる.

その時検討した代理店は主に生物系の商いをやっているらしく,そのカタログを見せてもらったがひどかった.たとえば,紫外LEDがついたヘッドライトとか.当時の紫外LEDの相場を考えても10000円の売値がせいぜいの代物に30万円近い値段をつけて売っていた.ほんと医療,生物系はお金持ちですねえと指導教官と笑ってた.

で,この経験をふまえて思うのは,単年度予算とかよりも,研究費に巣くうぼったくり業者の方を何とかすべきだということ.これは,大学の研究室はどこまで自分たちの手でやるべきなのかの線引きを考えるということでもある.なんつーか,こんなん自分で作れますよ的なものをあり得ない値段で買ってるところが結構ある.また,ぼったくりとまではいかなくても,研究用だと数が出ないから,性能が悪いものをあり得ない高値で買わされてるようなこともある(顕微鏡用のカメラとか,デジタル一眼の方が性能良い上に安い).そういうのが,作業時間とコストを秤にかけた上での選択であるならいいんだけど,大抵はそうじゃなくて知らないだけだったりする.設備の融通を考える前に,こういうノウハウの融通をどうやって進めるのか考えないといけないんだと思う.