堀江由衣に最近はまってしまって危ない

いや,ほんと,最近はしかのように嵌ってしまってヤバイ。ぼーっとしてると,頭の中を堀江由衣の歌が流れるくらいにヤバイ。追加公演に行くと戻れなくなりそうだからと言いつつ,気がつけばアルバムを全部買っていた。怖い。

そこで,なんでこんなに,それも今更になって堀江由衣に嵌ることになってしまったのかという,超にわかファンの戯言を書きたくなった。

1年前くらいまでの堀江由衣に関する自分の認識は,基本的には國府田マリ子 ver 2.0だった。つまり,國府田マリ子的な声優アイドルの完成形としての堀江由衣という認識。で,それに対して自分としては,なんか遠いというか,完璧でつまらないというか,もっと具体的には写真の笑顔が固いとかいろいろと思うことがあったし,2000年代前半(今でもその傾向は強いけど)の自分は,声優が好きだとか,キャラに萌えるとかいうのは品がないと思って嫌う傾向があった。まあ,端的に言うと中2病。

で,その認識が少しずれてきた兆しは,たぶん,バニラソルトでの一人Perfume。その時はネタ消費というか,そこまで強い思いに至らなかったけど,國府田マリ子 ver 2.0という扱いで捉えきれるものではないということが頭の中に少し残った。そして,決定的だったのはインモラリストのPV。そもそも,あれは曲が良かった(というか,ドラゴンクライシスの中ではOPが圧倒的に面白かった)。その上,あの破壊力のあるPV。

これで,私の中の何かが壊れた。そして,かなり久しぶりに堀江由衣のライブ(堀江由衣をめぐる冒険III Secret mission)が開催されると聞いて,軽い気持ちで行こうと決意した。ライブの予習のために堀江由衣をめぐる冒険IIのBDと,「秘密」を購入。これで,さらに壊れ度が加速した。

たぶん,その時仕事があんまりうまくいってなくて,かなり精神的に弱ってたというのもあるとは思うけど,「秘密」の出来が良すぎたからだと全アルバムを購入した後の今でも思う。

そして,ネタバレ禁止中だからあんまり詳しく書かないけど,secret missionも良かった。堀江由衣の観客に対してのホスピタリティに感動したのはもちろん,一人Perfumeを越える仕掛けに,堀江由衣のアイドル的なるものへの飽くなき探求心というか,執念を感じた。

ちょっと前まではアニメ雑誌の写真とかだけをさらっと見てたからか,堀江由衣は「完璧なアイドル」を常に演じているのだと勘違いしてた。でも,実際にはさらにメタな視点でもとらえる必要があって,「完璧なアイドルを演じている普通の女の娘」というポジションをラジオとか,BDのコメンタリーとかではとっていることが多い。というか,常に自分を10mくらい上の方から見つめているような冷静さを感じる。その冷静さと,アイドル的なるものに対する飽くなき探究心が混ざって,不思議な魅力になっていると今は理解してる。

たぶん,どっちの堀江由衣が好きなのか?という問は完全に禅問答なのだと思う。(完璧に演じきったアイドルの象徴としての)の17歳*1堀江由衣と,30半ばのアイドル的なるものに恋焦がれる普通の女の娘としての堀江由衣

もちろん,前者の完成度あっての堀江由衣なのだけど,後者の普通の女の娘感というのも,ファンを巻き込んだ大きな物語につながるという意味で,重要だと思う。つまり,ぴえろ魔法少女シリーズのような,普通の女の子が魔法でアイドルに変わるという物語が,きっと,ファンと堀江由衣の間に共有されてる,ライブに行ってそれを強く感じた。アイドルに憧れる女の娘と,その女の子がアイドルでいられる魔法の空間を維持しようとするファンという物語。

この2つの堀江由衣の間を行き来するフワフワした感じ*2。円熟したアイドルってかなり言語矛盾のようだけど,堀江由衣こそはそれなのだと思う*3

堀江由衣をめぐるファンを巻き込んだ大きな物語というのがきっとあるからなのだろうけど,堀江由衣のライブの最後にした三本締めがすごい気持ち良かった。

しかし,自分で書いてて言うのも何だけど,すごい気持ち悪い文章でびっくり。でも,とりあえず吐き出したかった。

*1:といっても,堀江由衣のターゲットは20代前半だったり,Childish Love Worldのように小学生だったりいろいろだけど

*2堀江由衣をめぐる冒険でほぼ常に複数の堀江由衣が登場するのは,この構造の暗喩なのかもしれない

*3:楽曲の完成度という意味でも,自分の趣味ってのはあるとは思うけど,最近3アルバム(Darling,HONEY JET, 秘密)の完成度はそれ以前を上回っていると感じる。この意味でも円熟感がある。