今回の毒餃子事件を見て

自由貿易とか市場経済って根元のところで性善主義だなあと思った.たとえば,今回のような混入を防ぐためには全数検査をするしかないけど,そんなことするくらいなら国内で作ったほうが安い.(というか,全数破壊検査と言う冗談みたいなことをしないとダメかもしれないし)

悪意があって混入されたのか,それとも,恐ろしくとんまなミスをして殺虫剤を付着させたのか知らないけど,当然のように後者の方が前者よりもきつい.食品を作ると言うレベルじゃないって事だから.なんで,きっと後者が真相だとしても前者として回収されるはず.で,後者にしても,何をどうしたいのかわからない.というか,一銭も得にならないことをされても困る.こういうのは普通に犯罪として処理すべきなんだろうけど,個々人の犯罪として処理しろと鷹揚に構えていられるのは,統計的に火の粉が交通事故と同程度にしかかかってこないとわかっている場合に限られるわけで.今回に関してはそれが危うい.

で,入札とかでもそうだけど値段だけで選択すると当然のように失敗したなって業者に当たることもある.で,そういうひどい業者は市場で淘汰されるはずだっていう原則論を吹いていられるのは,その失敗で人生が終了しない限りにおいてだ.それで人生が失敗するんだったら自由な選択なんてとてもじゃないが出来ない.だから,市場主義者だって規制とかルールとかを否定しないはずだ.