Wikipedia都市伝説

零式艦上戦闘機(後編)で(本筋とはまったく関係ないんだけど)

「戦前の日本の惨めな模倣文化の象徴であるかのような零戦を崇拝し続ける意味なんて、現在の日本にはもうないですよね。戦後、高度成長を遂げた日本が作った工作機械がソ連に輸出された際、同国の原潜の水中雑音が低減して探知できなくなったなどとアメリカにお叱りを受けるほどにまで日本は技術革新を遂げて、世界に誇れる工業製品を作れるようになったのです。粗悪品製造国の代名詞だった戦前では考えられないようなことですよね。」

という記述を見てそれって濡れ衣だったんじゃと思って調べてみたら,1次ソースがネット上のどこにもなくて驚いた.

ぐぐって見た限りでは自分が読んだwikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E8%8A%9D%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E3%82%B3%E3%82%B3%E3%83%A0%E9%81%95%E5%8F%8D%E4%BA%8B%E4%BB%B6とか)以外では軍事板常見問題しかないけど,文体も内容も同じすぎるのでたぶん単一の情報.で,話としてはソ連崩壊時の情報公開で判明したとあるけど,どんな書類にどんなことがかかれてあったのかがネット上に書かれていないのはわかるとして,それが書かれてあるだろうソースへの参照がまったく張られていない.こんな瑣末なことを日本人以外が気にかけるわけもないから英語の文献もない.

そもそも,汎用の工作機械ならともかく大型船舶用プロペラ加工機と銘打たれたものをプロペラと関係ない部署が何のために9台も購入したんだと小一時間.

まあ,東芝機械のプロペラ加工機だけでソ連の潜水艦の騒音が本当に小さくなるかといわれれば,疑問だから元の話も誇張がすぎると思わないでもないけど.

それと,また全然関係ないけど,「惨めな模倣文化」というけど科学とか技術なんて最先端の最先端以外はぶっちゃけ模倣するしかない.あと,真似できるってのは科学技術の基礎体力がきちんとあるってことなんで,真似すらできない国があることを考えればそう卑下するもんでもない.韓国とか台湾の企業が猿まね的な印象をもたれていたときから,新規分野でも直接的な脅威になるまでの速さといったらねえ.