恋と選挙とチョコレート 8話での将棋対局の分析

HDDの容量が心もとなくなってきたのと,寒いから暖房代わり(といってもさほど暖まらないが)に録画のエンコード作業を進めている。その一環で,恋と選挙とチョコレートのエンコをしてたので,見てた時に気になった葉月vs皐月の将棋の件についてまとめていこうと思う。と言っても,当時(

)から解釈に何か進展があったわけではないけど。

とりあえず,やり取りを時系列順に並べると次のようになる

先手:東雲皐月
後手:東雲葉月
初手から
▲7六歩
△3四歩
▲2六歩
△(不明)
▲(不明)
△(不明)
▲(不明)
△(不明)
(皐月が葉月を叩いて盤面が崩れる。以後目隠し将棋)
▲4九銀
△1八飛成
▲2六歩
(葉月「まだやるんだ~?」皐月「あなたこそ,逃げないで」)
△3七桂不成
▲4八飛
(皐月「私が勝ったら,家に帰って母に謝ってください」葉月「あなたが勝ったらね~」)
△6七桂打(王手)
(葉月「勝てるかしら」)
▲同銀
△4九桂成(王手)
▲6八玉
△4八龍(王手)
(その後いろいろあって両者和解。将棋の結果は有耶無耶に)

先手2六歩としたあたりの先手玉周辺の陣形と最低限持っているはずの持ち駒をその後の展開から推測するとこんな感じになる。

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途中の空白の5手じゃ実現不可能なくらい局面が進んでるというのは許すとしても,かなり不思議な局面。特に,4九銀と打たれて1八飛成という展開に目が点になる*1。あと,2六歩がお手伝いにしかなってなさそうなのもよくわからない。

そもそも,後手は多分三間飛車だと思うのだけど,それに対して先手の6六歩,6八銀の形がチグハグ過ぎる。ちなみに,6八銀だと推測できるのは37桂不成に対して5八銀や4八銀じゃなくて4八飛車としたところから。7八銀であれば5八銀でたぶん受かる。それでも苦しいけど,4八飛と飛車を受けに手放すよりはマシ。

話の展開と将棋の展開を並列させると,4八飛と打ったのは将棋的には精一杯のがんばりという手で,このタイミングで皐月が私が勝ったら云々と言うのは,精一杯に強がってる感じが強調されていて,少し苦笑いしてしまう。

その後,王手の連続になって画面でも葉月優勢という感じになるけど,局面は画面の演出以上に散々で,それとなく棋譜がわかると「4八龍 王手(かつ飛車ただ取られ)」がほとんど死刑宣告のように聞こえてかなり気分が滅入る。

将棋の局面としては先手玉は寄りでほとんど望みはないんだけど,4八竜とされた後も必死に考えてる皐月さんがちょっと可愛い。将棋は弱そうだけど。というか,皐月さん目隠し将棋出来るんならそれなりに強いはずなのに,なんでこんなに変な手指してるのか疑問。

*1:普通は香車が1九にいるから龍はここに成れない。居飛車が1八香と手待ちする筋はありえないし,香車がさばけてるという展開は謎。石田流本組っぽい端角に対してつっかけた?