堀江由衣ベストライブ/堀江由衣をめぐる冒険IV (2013-03-16/17)

なんだかんだ言いつつ,3月もひな祭りには水樹奈々の座長公演に行き*1,中盤の土日を堀江由衣のライブに潰すという,期末で忙しいのに何やってんだ?という感じの3月を過ごしている。

今年のライブの注目はやはりフリフラ(紅白でも使われた無線制御式のペンライト)の声優ライブ初投入ということになるのだと思う。そこまで物販やる気なかったけど,フリフラ投入を聞いたので初日の物販はフリフラを確実にゲットするために早く並ぼうと海浜幕張に9:00集合で友人と並ぶ*2

アイドル的なるものへの飽くなき探究心と,ホスピタリティに溢れた運営に対する意気込みを考えれば,堀江ライブへのフリフラはこの上なくマッチしてるとしか言い様がない。

サイリウムに対する堀江先生の考えとしてぱっと思いつくのは,ナタリーのインタビューでのこの発言。

今回は6年ぶりのツアーということで、「ライブは初めて参加します」という方も結構多いみたいなんですよ。Twitterでも「何を持っていったらいいですか?」とか「どんな準備が必要ですか?」とかいろいろ質問されるんですけれど、何も準備しなくても大丈夫です。準備はこちら側がしておきますし、サイリウムも会場で販売しております(笑)。そんな感じで、気楽に楽しんでいただけたらいいなと思っているので、初めての方も楽しめるライブになるよう心がけていますね。

堀江由衣 (2/5) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

なんというか,どうしても声優ライブって独特の一体感がある代わりに,覚えることがどうしても多くなってしまって,行き過ぎると初心者を排除してしまう面があって,それに対してかなり大きい問題意識を持っているように見える。前回のツアーでの回答は開演前にやるエコーちゃんのやまびこ講座なんだけど,今回は,それに加えてフリフラによるサイリウムの公式演出化を達成して,ほぼ完成した感がある。

まあ,それはそれとして,とりあえず心拍数。

堀江由衣ベストライブ-由衣と時間泥棒

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堀江由衣をめぐる冒険IV-パイレーツ・オブ・ユイ 3013

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両日ともスタンドの席で特に狭いとかなかったんだけど,全体的にあんまり高くない。あと,かなり冷静だなって思ったのは心拍数以外にもラップの押し間違えが両日ともなかったというあたり,かなり冷静。

心拍数が上がってる曲は,結構典型的で

ってな感じ。初日のLove Destinyは警報の後,PPPHじゃなくて裏飛びをするのに今更ながら違和感を感じて乗りきれなかったけど,二日目は解消。インモラリストとかマッシュルームマーチとかは結構好きな曲なんだけど,飛んだり跳ねたりしない曲なので,心拍数的にはそれほど。その意味で,心拍数は参考程度ってのを今更ながら強く感じてる。

今回改めて凄いなって思ったのはつなぎの滑らかさ。女性の声優ライブってどうしても衣装替えの時間が間延びしてしまうという問題があって。生バンド形態の場合には,バンドのinstrumentalで凌ぐのが一般的。水樹奈々の場合には特に衣装替えが多いから,バンドのinstrumentalとダンサー,さらにはちょっと豪華な映像と多彩な手段で主役不在の時間を凌ぐ。

堀江由衣の場合には,もともとミュージカル形式なので本人不在でも流れを切らなくてもよかったりするし,それに加えて,前回で完成した流れなんだけど,モノクロームという自分の分身を出すことで,衣装替えの時間でも観客を飽きさせない。さらに,開演前はエコーちゃんのやまびこ講座があるし,アンコールもEDが終わった直後にTシャツに着替えて出てくるから,本当に公演中に観客が主役の不在を待つということがない。この隙の無さはかなり心地よい。

ライブ演出的にはやはりフリフラは期待してた通り。購入直後は下の方ばかり明るくなることや,オレンジの色の微妙さってどうよ?とか思ってたりしたんだけど,実際に使ってみると正直どうでもいい。会場全体の色が統制を持って制御されているのは圧倒的としか言い様がない。ちょっと暗いかなとも思ったけど,逆にフリフラの明るさが標準になってペンライトの明るさ競争に歯止めがかかるならそっちのほうがいいかなと思う。一斉に色が変わるのもキレイだし,ランダムに色が明滅するのもキレイ。徐々に色が変化したり,一瞬ぱっと光ったりするのもどちらも曲に合ってる場合にはかなり印象的で良かった。ただ,速く点滅するのだけはかなりうるさく感じるので,勘弁。あと,曲のリズムに合わせてゆっくり点滅する演出が結構あったんだけど,こちらの手の振りと当然同期してるので,手が上にあるときに必ず消灯してるとかいうことになったりして振りづらかった。振ってる時にペンライトなんて見てないと思ったんだけど,意外と視野の端で自分のペンライトの明かりを見てるんだなあと思い直す。

フリフラ以外の光の話題としては,レーザー演出は全部壁面に着弾してることを確認。あと,去年のNHKホールでもあったステージの端の鏡にレーザーを反射させるトリッキーな演出があったけど,これもちゃんと壁面に着弾してるのを確認。モノクロームの緑レーザーに当たって倒れる役のダンサーの人が大丈夫かなと思ったけど,まあ,決まりきったシーケンスだし,こちらを向いてたようにも思うのでほとんど危険はなかったと思う。

モノクロームについては,初日は堀江先生との共演ということでまた一つPerfumeを意識したチャレンジと言うところだったんだけど,隣にいる堀江先生にスポットライトを当てる都合上かなりモノクロームが見えづらくなってしまったように見えた*3モノクロームが出てくるときはフリフラを消すくらい周囲の明かりを気にしてるくせに,近くにスポットライト当てちゃダメだろって感じはした。二日目はモノクロームから緑レーザーが放たれるという趣向もあったし,周囲の照明を十分に暗くできたから万全の安定感だった。ただ,冷静に考えると,歌が完全に録音だった二日目よりも,テクノっぽい楽曲を生歌で歌った初日のほうが遥かに挑戦的だったように思うので,重ね重ねスポットライトでモノクロームが見えづらくなってしまったのが残念。たぶん,映像化するとそういう不満はないんだろうけど。

あと,嬉しかったというか予想もしてなかったのは幕張のスタンドの通路をトロッコで回ってくれたことか。初日も二日目もアリーナをぐるっと廻るだけではかなり遠い席だったので,この演出はかなり嬉しかった。2階席の狭い通路にトロッコを通せるという発想がなかった。まあ,嬉しかったと言ってる割には心拍数に顕著に現れていないのが自分的にはかなり残念ではあるんだけど*4。そもそもの問題として,自分のアイドル的なるものへの希求がさほど強くないので,堀江先生のアイドル的なるものへの病的なまでの渇望をどうも直接受け止められないので,分析的に見てしまってる面が大きいのかなと思う。

それにしても,今回,とうとう中島みゆきの夜会ばりに描きおろし曲が一曲(海賊のテーマ)登場。このまま順調にエスカレートしていって,全曲描きおろし曲になれば面白いのにと他人事のように思ってしまう。あと,曲的には前回のsecret mission liveでなぜか歌われなかったアルバム「秘密」の曲達を供養できたのは結構大きいなあと思った。特にsky fishとか。

最後に,演出面で一つ気になったことが,二日目のパイレーツ・オブ・ユイで幽霊船が出るたびに光ってたくじら号の明かりが,最後,幽霊船を倒すと同時に消えたこと。なので,たぶんあの幽霊船ってくじら号の成れの果てという設定なんじゃねと勝手に思ってる。もし,そうなら映像化の時のコメンタリーでネタばらししてくれるだろう。かなりどうでもいいけど。

*1:あんまり語ることもないけど,贅沢な企画だなあというのと,新アルバム曲はやっぱいい曲だということくらいかな。特にHappy☆Go-Round!。それと,Lovely fruitをちゅるぱやの後任にしようとするのはやっぱきっついよなあという事くらいか。

*2:二日目も惰性でなぜか同じ時間に並んじゃったんだけど,そのせいで次の週までアニメの録画処理に苦労することに

*3:初日の席は真正面ではなかったからそれが影響してる可能性はあるけど

*4:確か,翼-It's my style-恋する天気図のあたりで,ちょっと上がってるのがそれかなあと思うけど,うろ覚え