戦争の経済学

面白かったけど,評判ほどには面白くなかったかなという印象.もうちょっと突っ込んだ内容を盛り込んでもよかったような感じがしないでもない.考える材料レベル.

昔読んだこの手の話で一番衝撃的だったのが,戦争の科学isbn:9784072350164にあった米ソの1個師団が戦闘に突入したときに消費されると予想される資源およびコストを積み上げて書いてある表.単なる事実がこれだけ衝撃的かと思ったほど.

中学生のときに読んだ記憶で書いてるので間違ってるかもしれないが,ひたすら油が消費されていったのを覚えている.輸送量の半分以上だったかな.で,弾薬は全重量のうち占める割合はそこまででもないけど,こんどはひたすらお金が飛んでいく.それに比べると水とか食料なんてのはちっぽけなもの.これに関してはWW2でも同様のはずだから,餓死するような軍隊は勝ち負けを競う土俵に立ててないことがよくわかる.

で,こういうような衝撃を戦争の経済学には期待したのだけど,そこまでではなかった印象.

ところで,この本日本語が特徴的すぎってのはおいといて大胆な誤植が多い.気がついたのは

P.69 (このページは全体的にこうだけど)

「でも1942年には,陸軍は優に900万部隊を超えていた.」

900万部隊ってどこの銀河帝国だよ….全体的に○○人の部隊と書くべきところを○○兵力とか○○部隊とか書いている印象.P.83にも同様の間違いがある.