参院をどこまで形骸化できるか

何が悲しくて時計の針を逆に戻すような郵政法案を最優先で出す羽目になったんだろうなと思ったりもするんだけど,どれもこれも衆院でぼろ勝ちしてる民主党が現状参議院では単独過半数じゃないからという単純な問題であったりする.

で,党議拘束がある以上,数の勝負にしかならない日本の政治がねじれ国会なんて厄介なものを取り扱えない,ということはこの2年くらいで嫌というほどみんな実感したと思う.かといって,参議院をUKの上院のように骨抜きにするためには憲法改正という壁が高く高くそびえることも事実.

たとえば,

  • 一院制にしようぜ→42条で二院制の規定
  • 任期制で解散がないのがまずいんじゃなかろうか→46条で任期および半数改選の規定
  • 参議院の権限を縮小しようぜ→59条で法律は両院の可決が必要と規定.

という具合.憲法改正が非現実的なのは周知の事実.

じゃあどうするんだよということで,法改正で出来ることは

の二つしかない.これは,現実に沿った政治をするために憲法が残した調整弁だが,これを徹底的に悪用すると参院を形骸化した上に大統領制の導入が出来るんじゃなかろうかとふと思いついた.

イデアは単純すぎて「参議院の定数を2にする」これだけ.

こうすることで,3年に一回大統領選が発生し,選ばれた人が大統領.前回の選挙で当選した大統領は参議院議長として副大統領的なポジションに移る.まあ,今のロシアよろしくどっちが実質的な大統領かは実力で決めてもらって構わない.3年前の大統領と今回の大統領の政党がねじれてしまっても,片方が議長として議決にはかかわらないから別にどうと言うことはない.

権限についても,全ての法案についての基本vetoを持っていて,下院で2/3とられると覆されるというのはちょうどいい権力だと思う.ただ,運良く首相になれればアメリカ的な大統領制っぽくなるが,自動的に首相になれるわけではないので,制度的にはフランス的な半大統領制っぽい.が,フランス的な半大統領制だとすると,解散権は欲しいが憲法上作れないのがジレンマか.

無茶?と思わないでもないけど,戦力を持たないとか言いつつアジア2位の軍事力を持つ自衛隊が普通に存在しているわけで,このくらいの解釈改憲ならありだろうと思う.

しかし,ひょんなことから母校(東工大)から首相が生まれることになったわけだが,この大学って現在代議士を3人しか出していないんだな.おっそろしい.慶応とか早稲田とかと違って金輪際生まれることが無さそうだ.記念写真でも撮ろうか(どうやって?).

追記

あと,いい加減40歳代,せめて50歳代の首相ってでないのかねというのが自分の感想.

というか,体をいっさい動かさなくて良い棋士の棋力がせいぜい40代をピークにして落ち始めるというのをみんなもっと重視するべきだと思う.人間の知的活動はみんなが思っている以上に身体能力の制約を受けている.

そんな中で,身体能力の劣る爺をこの国のトップに据えることの愚かさをもっとみんな認識すべき.